先日、AWSの認定資格であるソリューションアーキテクト アソシエイトの試験に合格しました。本記事ではAWS認定資格の種類・について解説したいと思います。
AWS認定資格の種類と難易度

AWSの認定資格には3段階のレベル別資格(基礎コース・アソシエイト・プロフェッショナル)と6つの専門知識を問う資格があります。
【LEVEL1】基礎コース
基礎コースの資格はクラウドプラクティショナーのみになります。
クラウドプラクティショナー

6ヶ月程度の基礎的なAWSクラウドの知識とスキルが問われる試験です。取得対象者はシステムエンジニアというよりは営業向けという印象を受けました。
AWSクラウドのベーシックなサービスについては概要を理解し、説明できる能力があることを証明できる資格です。
「クラウドの概念、セキュリティ、テクノロジー、請求と料金」について問われます。
基礎コース(クラウドプラクティショナーのみ)の試験概要は以下の通りです。
形式 | 複数の選択肢の中から回答する問題 |
実施形式 | テストセンター |
試験時間 | 90分 |
最低合格スコア | 700点(満点:1000点) |
受験料金 | 11,000円(税別) |
言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
【LEVEL2】アソシエイト
1年程度AWSクラウドの経験・実績がある方を対象とした試験です。「ソリューションアーキテクト」と「デベロッパー」および「SysOpsアドミニストレーター」の3つに分かれています。
アソシエイトの試験概要は以下のようなっています。(3つの資格共通)
形式 | 複数の選択肢の中から回答する問題 |
実施形式 | テストセンターまたはオンラインプロクター試験 |
試験時間 | 130分 |
最低合格スコア | 720点(満点:1000点) |
受験料金 | 15,000円(税別)/ 模擬試験 2,000円(税別) |
言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
ソリューションアーキテクト – アソシエイト

AWSのアーキテクチャ設計を担当されている方を対象としています。
「レジリエントアーキテクチャの設計、高パフォーマンスアーキテクチャの設計、セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計、コスト最適化アーキテクチャの設計」について問われます。
私はAWSクラウドの経験が6ヶ月ほどでしたが、なんとかソリューションアーキテクト – アソシエイトに合格することができました。システムエンジニアの方はまず最初にこの資格取得を目指せば良いかと思います。
※古いバージョンの試験(SAA-C01)は2020年7月1日に廃止されており、現在は新しいバージョンの試験(SAA-C02)のみ受験可能です。
デベロッパー – アソシエイト

AWSのアプリケーション開発や保守を担当されている方を対象としています。
「デプロイ、セキュリティ、AWSサービスを使用した開発、リファクタリング、モニタリング、トラブルシューティング」について問われます。
SysOps アドミニストレーター – アソシエイト

AWSのシステム開発、管理、運用を担当されている方を対象としています。
「モニタリングとレポート、高可用性、デプロイとプロビジョニング、ストレージおよびデータの管理、セキュリティとコンプライアンス、ネットワーク、自動化と最適化」について問われます。
【LEVEL3】プロフェッショナル
2年程度AWSクラウドの経験・実績がある方を対象とした試験です。ソリューションの設計、運用、トラブルシューティングに関する包括的な経験が必要です。「ソリューションアーキテクト」と「DevOpsエンジニア」の2つに分かれます。
プロフェッショナルの試験概要は以下の通りです。(2つの試験共通)
形式 | 複数の選択肢の中から回答する問題 |
実施形式 | テストセンターまたはオンラインプロクター試験 |
試験時間 | 180分 |
合格最低スコア | 750点(満点:1000点) |
受験料金 | 30,000円(税別)/ 模擬試験 4,000円(税別) |
言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル

「ソリューションアーキテクト – アソシエイト」の上位の資格です。最も出題範囲が広く、AWSの認定資格の中では最難関の資格と言われています。
「組織の複雑さに対応する設計、新しいソリューションの設計、移行の計画、コスト管理、既存のソリューションの継続的な改善」についてアソシエイトより高度な技術の知識や経験が問われます。
DevOps エンジニア – プロフェッショナル

「デベロッパー – アソシエイト」と「SysOpsアドミニストレーター – アソシエイト」の上位の資格です。DevOpsエンジニアの方を対象としております。
「SDLCの自動化、構成管理およびInfrastructure as Code、監視およびロギング、ポリシーと標準の自動化、インシデントおよびイベントへの対応、高可用性、フォールトトレランス、ディザスタリカバリ」についてのより高度な技術の知識と経験を問われます。
専門知識
「各専門分野の知識+その分野でのAWSクラウドの技術的な経験・実績」が必要とされる資格です。全部で6つの資格に分かれます。
専門知識の資格概要は以下の通りです。(6つの資格で共通)
形式 | 複数の選択肢の中から回答する問題 |
実施形式 | テストセンターまたはオンラインプロクター試験 |
試験時間 | 170分 or 180分 |
最低合格スコア | 750点(満点:1000点) |
受験料金 | 30,000円(税別) |
言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
高度なネットワーキング

AWSのネットワークアーキテクチャについてベストプラクティスに基づき設計、開発、デプロイできることを証明する資格です。
「大規模なネットワークアーキテクチャの設計・実装、AWSネットワークタスクの自動化、アプリケーションサービスとネットワークの連携、セキュリティとコンプライアンスの設計・実装、ネットワークの管理、最適化、トラブルシューティング」について問われます。
データアナリティクス

AWSのワークロードのデータ分析に関する2年以上の実務・経験がある方を対象としています。
AWSデータ分析サービスの活用またはそれらを相互に結合することでデータの収集・処理・可視化などを適切に実施するための設計、構築、保護、および保守できることを証明する資格です。
「データ収集、格納及びデータ管理、処理、分析および可視化、セキュリティ」について問われます。
セキュリティ

AWSのワークロードのセキュリティ保護に関する2年以上の実務・経験がある方を対象としています。
安全な本番環境を実現するため、AWSのセキュリティソリューションを設計・実装できることを証明する資格です。
「インシデント対応、ログ収集と監視、インフラストラクチャのセキュリティ、IDとアクセスの管理、データ保護」について問われます。
機械学習

AWSのマシンラーニングの開発、アーキテクチャ設計、運用について1~2年以上の実務・経験がある方を対象としています。
膨大なデータの中からビジネス上の問題を解決するための機械学習ソリューションを設計、実装、デプロイする能力を有していることを証明する資格です。
「データエンジニアリング、探索的データ解析、モデリング、機械学習の実装と運用」について問われます。
Alexa スキルビルダー

AWSのAlexaスキルに関する6か月程度の実務・経験がある方を対象としています。
Amazon Alexaの構築・テスト・公開するための能力を有していることを証明する資格です。
「音声ファーストのデザイン手法と機能、デザインとアーキテクチャ、スキル作成、テスト、検証、トラブルシューティング、運用、ライフサイクル管理」について問われます。
データベース

AWSのワークロードのデータベースに関する2年以上の実務・経験がある方を対象としています。
ユースケースに応じてAWSのデータベースを適切に設計、提案、および保守できることを証明する資格です。
「ワークロード固有のデータベース設計、デプロイおよび移行、管理および運用、監視およびトラブルシューティング、データベースセキュリティ」について問われます。
まとめ
AWSの認定資格には3段階のレベル別資格(基礎コース・アソシエイト・プロフェッショナル)と6つの専門知識があります。
はじめてAWSの認定資格を受験する際は、営業の方は「クラウドプラクティショナー」、システムエンジニアの方は「ソリューションアーキテクト – アソシエイト」の資格を取得するのが良いかと思います。
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